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観光特急「しまかぜ」と「伊勢志摩ライナー」乗り比べ記

 

秋も深まる11月某日、旅の始まりは近鉄大阪難波駅

 

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大阪難波駅からは近鉄特急で名古屋・伊勢へ、はたまた阪神電車で神戸方面に向かうこともできる。私鉄ではなかなかに大きな駅だ。

ここ大阪難波駅から伊勢方面に向けて、近鉄の観光特急「しまかぜ」が運行されている。

今回、大阪出張のついでに乗ってみた次第。何と前日にキャンセルが出たようで、奇跡的に切符を取ることができた。

 

 

観光特急「しまかぜ」で伊勢へ

 

近鉄の誇る観光特急「しまかぜ」50000系電車は、2013年3月、伊勢神宮の第62回神宮式年遷宮に合わせて運転を開始した。先頭車両は全面ガラス張り&ハイデッカー構造で、沿線の景色を存分に楽しむことができる。

 

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特急「しまかぜ」を今や遅しと待つすっぴー。ともに発車標に行き先を連ねる名古屋行き特急「アーバンライナー」は、毎時2~3本という高頻度運転を行っている。


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お待ちかね!!特急「しまかぜ」が入線してきた。近未来的なデザインの車両。落ち着いたデザインのロゴマーク。これからの旅に期待が高まる。


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行先表示器はLED。今回すっぴーは伊勢神宮参拝のため、宇治山田駅までの乗車であるが、この特急は「伊勢志摩サミット」で一躍有名になった賢島まで運転する。

 

しまかぜ車内探索、徹底解説


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早速プレミアムシート車内へ。入った途端、息をのむような贅沢な空間が広がっていた。重厚だけど明るい黄色を纏った革張りの座席、そして高級感を醸し出す間接照明。ハイデッカー車両ならではの大きな窓。一目でこの空間に惚れた。ラグジュアリーの最たるものである。

座席は2&1列。JR在来線の一般的なグリーン車と同様の配列であるが、座席のゆったり感や包まれ感は一級品。少なくとも、我が九州の在来線特急グリーン車とは比較にならない。東北・北海道新幹線の「グランクラス」のような座席だ(乗ったことないけど)。

 


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座面と背もたれは非常に柔らかく感じたが、革張りにしてはホールド性は抜群である。

リクライニング等の座席操作は、全て電動のスイッチが備わる。この座席はリクライニングを全倒しにしなくても、チルト機構とレッグレストのお陰で、快適な掛け心地を得られるように感じた。また腰部にはマッサージ機能も備わり、スイッチを押すと腰を揉んでくれるという優れっぷり。揉んでくれるといってもマッサージチェアのようなグリグリ感はなく、優しくさすられているような印象だ。

 

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各座席一枚ずつに割り当てられた窓には、電動のロールカーテンが備わる。窓下のスイッチで上下の操作を行う。カーテンの生地は優しい色合い。この車両のインテリアの一つとして、統一感を感じるデザインだ。

 

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ちなみに、すっぴーの座席番号は1号車の「9C」。賢島行きは1号車が先頭車両。しかも最前部かぶりつき席である。前日にこの席のキャンセルが出たのは奇跡としか言いようがない。全面ガラス張りで客室は運転台より高い場所に位置する為、展望は抜群である。

 

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客室の案内表示には液晶ディスプレイを採用。よくあるLEDよりも情報量は多い。停車駅の案内や車内設備の案内がなされる。

 

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デッキはシンプルながらデザインに凝った空間だ。床には2色の御影石が敷き詰められ「和」を感じる。一見すると鉄道車両のデッキには見えない。

また、大型の荷物を入れることのできる、無料の鍵付きロッカーも備わる。なお、客室には大型の荷物置き場は設置されていない。

 

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洗面台と化粧台。鏡面に埋め込まれた照明が、無駄のないデザインである。また、カーテンを閉めることで通路を通る人からの目線をシャットアウトできる。

 

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革張りのプレミアムシート以外にも、6名がけのサロン席や扉付きの和洋個室も備わる。個室にはすでに乗客がおり、写真は撮れなかった。

 

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喫煙ルームも完備。愛煙家には嬉しい限り。3名が同時に使用するとギリギリいっぱいな広さ。

 

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供食設備を有するカフェ車両。カフェ車両の座席部分は2階建になっている。ガラス張りのケースの中には美味しそうなスイーツが並べられている。もちろん、食事メニューも用意されている。

乗車時間2時間程度の列車としては豪華すぎる設備だ。

 

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車内探索をしている間に、あっという間に出発時刻になってしまった。10時40分、定刻に発車。

発車後すぐに、アテンダントが記念乗車証とおしぼりを配布した。

 

カフェテリアの食事を楽しむ

 

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車内販売メニューの一覧は、各座席備え付けのリーフレットでも確認できる。お腹も空いたので「海の幸ピラフ」(1,400円)を発注しよう。

…ということで、発車後10分程でカフェ車両に向かったが、すでに満席。

「提供まで30分ぐらいかかります」とのこと。テイクアウトして自席でも食べられるので、注文して自席で待つことにした。

 

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最前列で展望は一級品。そして何より、乗り心地が最高に良い。まるで滑るように走っていく。微振動すら感じない。

JR西日本の豪華寝台列車「瑞風」や、新幹線N700S系にも採用されている「フルアクティブサスペンション」の効果だろう。

速度計を見ると110km/h付近を指している。乗り心地が良いため、体感ではもっと遅いように感じる。

 

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都市部を抜けると、やがて奈良の山奥に入り込んでいく。山間部の線形は良くないが、相変わらず「しまかぜ」は滑るように進む。

 

…おっと、30分ぐらい経ったかな!ということで、再びカフェテリアへ。

丁度出来上がった所。容器に入ったピラフをビニール袋に入れて持たせてくれた。

 

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うわーお!美味そう!写真みたく、ちゃんと具が載ってるぞ!!ミネラルウォーター付き。

自席のテーブルを広げ、早速いただきま〜す。


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前面展望を楽しみながらピラフを頂く。上に載っている海老の殻は飾りかと思ったが、裏側にちゃんと身がついていた(笑)

夜行列車全盛期に比べると、車内で暖かい食事を頂く機会はめっきり減ってしまった。贅沢で貴重なひととき。

 

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途中、名張駅の車両基地を通過。近鉄でよく見かける汎用特急車がお昼寝中。


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山間部を抜け、三重県に突入。再び平野部を走る。「宮川」を渡ると程なく伊勢市駅到着。降車駅の宇治山田駅もすぐだ。

 

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12時19分、定刻通り宇治山田駅に到着。大阪難波駅から1時間39分の乗車だ。

…しかしあっという間に着いてしまった。もっと乗っていたかったなぁ。


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伊勢名物「赤福」の文字が踊る宇治山田駅

 

伊勢神宮参拝

 

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レトロな空間が特徴的な宇治山田駅伊勢神宮参拝の玄関口である。

伊勢神宮には「外宮」と「内宮」の2か所のお宮がある。伊勢神宮の祭事は「外宮先祭」で、それに習って先に豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀る外宮を参拝するのが習わしである。

ということで、外宮から参拝。


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何とも神聖な空気が流れる。外宮に祀られている豊受大御神(とようけのおおみかみ)は、衣食住や産業の神様である。

 

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外宮からバスに乗って、内宮へ。結構離れている。紅葉の始まった五十鈴川を眺めると、汚れた心が洗われるようである。ありがたいなぁ〜。


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内宮も、平日にもかかわらず多くの参拝客で賑わっていた。やはり天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る内宮は、別格の佇まいである。いやぁ〜ありがたい。

かなり駆け足で参拝を済ませて、京都へ向かう。

 

特急「伊勢志摩ライナー」で京都へ

 

ということで、再び宇治山田駅へ。

京都行の特急「伊勢志摩ライナー」に乗車する。「伊勢志摩ライナー」23000系電車は、1994年に登場。「志摩スペイン村」をはじめとするリゾートアクセス特急として運転を開始した。


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特急「伊勢志摩ライナー」発車標。京都まで約2時間の旅である。


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黄色の車体が特徴的な23000系がやってきた。顔がアヒルみたいだ。

伊勢志摩ライナー」も、さまざまな種類の座席がある。コンパートメントタイプのサロンカーや、JRグリーン車並みのデラックスカー、普通席に位置するレギュラーカーだ。「しまかぜ」に負けず劣らずといっていいだろう。


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今回すっぴーは「デラックスカー」をチョイス。2&1列、幅の広いモケット張りの座席だ。「しまかぜ」と違って乗客は少なく非常にゆったりしている。座席のつくりは「しまかぜ」に勝ち目はないが、静かな車内でゆっくりと過ごせた。宇治山田→京都間のデラックスカーは、通常の特急料金+410円の特別車両料金で乗車することができる。

車両の乗り心地であるが、シートが広く快適ではあるものの「しまかぜ」と異なり微振動が気になった。

というのも「しまかぜ」のフルアクティブサスペンションが優秀すぎるため、「伊勢志摩ライナー」の乗り心地が相対的に悪く感じるだけである。「伊勢志摩ライナー」も特急型車両としては十分な乗り心地である。


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壁面には真珠の装飾品が飾られている。世界で初めて真珠の養殖に成功した伊勢志摩の地ならではの装飾だ。


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デッキからは全面展望も楽しめる。客室の外にあるため、座席から直接見ることはできない。

 

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「シーサイドカフェ」と名のついたテイクアウト形式のカフェテリアもある。休日に運転する列車は車内販売が行われているが、このスペースは現在使用していない模様。

 

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宇治山田駅で購入した、伊勢名物「赤福」8個入りを車内で頂く。

とっても美味しいんだけど、ひとりで8個全部食べたら甘すぎて気持ち悪くなってしまった(食べ過ぎ)!!

日持ちしないお土産なので、物産展で買うかお土産で頂かない限り、なかなか食べる機会がない「赤福」。



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その後、車内誌として搭載されている「まほら」を読みながらいつの間にかウトウトしてしまい、気づけば終点の京都に到着していた。

車内誌というと、綺麗な写真が多く、読みやすい旅行記がつらつらっと載っているイメージだが「まほら」は少し趣向が異なる。文字ばっかり、文章は学術的、写真は少ない、といった具合で、睡眠導入には最適な読み物である(笑)

 

しまかぜ&伊勢志摩ライナー、予約のコツは?

 

「しまかぜ」プレミアムシートと「伊勢志摩ライナー」デラックスカーを乗り比べての感想。

まず、価格差である。「しまかぜ」プレミアムシートや「伊勢志摩ライナー」デラックスカーに乗車するためには、通常の乗車券特急券の他に「特別車両券」が必要である。もちろん「しまかぜ」の料金が高めに設定されている。

www.kintetsu.co.jp

「特別車両券」は乗車距離に応じて料金が異なるが、今回乗車した大阪難波~宇治山田間で比べると、その差はたったの510円。座席装備の充実具合や、カフェテリアの有無、車両自体の乗り心地を比べると圧倒的に「しまかぜ」に軍配が上がるだろう。「しまかぜ」であれば、510円の価格差以上に、充実した旅を楽しむことができる。

ただし「しまかぜ」にも難点がある。まず予約が取りにくいことである。特に、土休日の列車は満席ばかり。すっぴーが乗車した日は平日にもかかわらず満席で、前日に偶然キャンセルが出たため乗車できた次第。近鉄特急券は乗車日の一か月前の同日10時30分から発売開始なので、インターネット予約を駆使して狙うしかない。予約画面も人数や区間を予め入力して、10時30分の時報と共にクリックする勢いじゃないと、複数席は取れないだろう。

もう一つはカフェテリアが混むことだ。乗車と同時にカフェテリアに走って並べば、カフェ席に座って食事できるだろうが、プレミアムシートの快適さも捨てがたい。せっかく「しまかぜ」に乗車して長時間カフェの前で立って並んでた、なんてのは本末転倒である。

カフェ席が並ぶほど混雑した時は、テイクアウトで自席で食べるのがオススメ(テイクアウトできない商品もあるけど)。

 

…ということで皆さんも「しまかぜ」と「伊勢志摩ライナー」にぜひどうぞ。

非常にオススメだぞ!!

近鉄の回し者ではありません)