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呉線227系「レッドウイング」乗車記〜瀬戸内海を一望〜

 

2018年の豪雨災害により、5ヶ月に渡って長期運休していた呉線

不断の復旧作業により、予定よりも早期に運転再開を果たしたこの路線は、瀬戸内海の風光明媚な景色を望むことができる。

真新しい227系電車「レッドウイング」に乗り、初夏のよく晴れた日に全線乗車を果たした。

 

 

旅の始まりは広島駅から

 

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新しい電車と新しい駅。広島駅のリニューアルが大きく進んだのは、ここ2〜3年の話である。

かつて広島駅は国鉄型車両が次々と往来し、まるで時代錯誤の様子を呈していた。新製227系「レッドウイング」が導入され始めたのは2015年のことだ。

そしてついに2019年3月のダイヤ改正から、広島駅に乗り入れる全ての電車が227系に取って代わり、以前の様子は見る影もなくなった。広島駅で見たあの黄色い電車は、平成最後の古き良き思い出と成り代わった。

(まあ、芸備線は相変わらず国鉄気動車が走っているのだが。)

 

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呉線山陽本線海田市」から分岐し、別ルートを通って再び山陽本線「三原」に合流する路線である。

山陽本線が山を越えるのに対して、呉線は風光明媚な瀬戸内海沿いを走る。途中の「広」〜「三原」間は「瀬戸内さざなみ線」という愛称がつけられている。

やってきたのはJリーグのサッカーチーム「サンフレッチェ広島」カラーの227系。ひと昔前まで国鉄型車両しか走っていなかった頃と比べると、隔世の感がある。

 

227系「レッドウイング」徹底解説

 

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赤いカラーリングの227系電車。

世界遺産の「厳島神社」や、プロ野球チーム「広島東洋カープ」、県木である「モミジ」など広島らしさを象徴した色である。

車内は転換クロスシートが並び、車端部のみロングシートを配置。クロスシートは関西アーバンネットワークで使用される223系や225系と同様の構造である。

モケットの色は車体と同じく赤色が採用されている。ワインレッドのような落ち着いた色合いで目に優しい。扉の横には折り畳みの補助椅子も設置している。

車内の照明にもLEDを使用。省電力かつ非常に明るい客室だ。

車内案内表示装置はLEDの1行表示タイプ。LCDモニターではないのが惜しい。

 

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また、愛称である「レッドウイング」は前面に取り付けられた転落防止幌が翼を広げているように見えるということで付けた名前だそう。

転落防止幌は関西圏の車両にもよく見られるが、こちらには愛称は付けられていない。

 

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運転台はいわゆる「グラスコックピット」で、スピードメーターすらも液晶画面に表示される。なんともハイテクな仕様である。

流行りのワンハンドルマスコンではなく、ツーハンドルであるところはJR西日本らしい。

 

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行先表示装置にはフルカラーLEDを採用。なんと種別表示欄には広島東洋カープの「カープ坊や」まで表示されちゃうという、ハイテク表示装置である。

 

広島駅を出発し、市街地を進む

 

列車はゆっくりと広島駅を発車。快晴の一日で太陽の光が心地よい朝だ。

発車して程なく、広島東洋カープのホームスタジアム「Mazda Zoom-Zoomスタジアム広島」を右手にかすめる。屋外のオープンな球場で、まるで米メジャーリーグのような立派な球場だ。すっきりと晴れた日のゲームは、観戦してさぞかし気持ちの良いことだろう。

 

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複線の山陽本線、227系や貨物列車とすれ違う。

 

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列車は10分ほど走ると海田市駅に到着。ここから呉線へと乗り入れる。呉線は全線単線で、途中の広駅までデータイムは時間あたり2本程度の運転だ。

 

瀬戸内海を望む呉線、まずは広駅へ

 

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呉線へ入り、坂駅を過ぎると進行方向右手には瀬戸内海が見えてくる。

 

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初夏の穏やかな瀬戸内海。島々の連なる景色には、それらを結ぶ大小様々な船が往来している。発達した海運は瀬戸内海の特徴でもある。

 

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単線ゆえに行き違いによる停車もある。広島行きの上り普通列車とすれ違った。


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かるが浜駅。駅のすぐそばには「狩留賀海水浴場」がある。


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途中、呉駅でも行き違いがあった。

呉市の玄関口である呉駅は、呉線随一規模の大きな駅だ。

綺麗な海沿いの車窓をぼーっと眺めていると、あっという間に終点の広駅に到着。ここで乗り換えだ。

 

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駅名標の隣には、沿線の観光案内マップも設置されていた。

 

2両編成ワンマン列車で三原駅

 

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広駅で乗り換え、一路東を目指す。景色は一変、山がちな風景も見られた。

広駅から先はデータイム時間あたり1本と、運転本数が減る。

この列車も227系での運転だが、2両編成ワンマン運転である。運転士は駅に着く度にホームに出て、ドアの開閉と安全確認を行っていた。

 

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再び海が見え隠れする車窓。海に浮かぶ木の板が気になる。牡蠣の養殖いかだだろうか。

それにしてものんびりするなあ。車内は気持ち良さそうにうたた寝をする乗客も。

 

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風早駅に到着。「かざはや」と読むこの地名、何だか妙にカッコいい。


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ちなみに、安芸津町風早地区は「ビワ」の名産地でもある。至る所にビワの木が植えてあり、実に袋掛けをしている。

 

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ウサギのイラストが可愛い忠海駅。近くの忠海港から「ウサギの島」として知られる大久野島への船が出ている。


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左の大きな鉄塔が建っている島が大久野島だ。

大久野島は昭和初期、大日本帝国陸軍により毒ガス工場が建設された。その機密性を保持するため、一時は地図から消された島でもある。

毒ガス工場では動物実験用にウサギが飼われていたが、戦後GHQにより全て殺処分。現在島に生息しているウサギは、地元の小学校で飼われていたものが放され野生化したものだという。

現在は国民休暇村もあり、多くの観光客で賑わう島となった。

 

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そのような負の歴史も残る、瀬戸内の静かな海沿いを走る227系。内海だが綺麗な色をしている。


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安芸幸崎駅。造船所が見られた。瀬戸内海には造船所がいたるところに点在する。

 

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やがて穏やかな海の向こうに市街地が見えてくると…


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三原市の玄関口、三原駅はもう近い。三原市は人口9万人の街。マンションもチラホラと建っている。


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三原駅到着。さよならレッドウイング。

ここから尾道駅を目指す。

 

時代を越える黄色い電車115系


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糸崎駅で再度乗り換え。糸崎駅の車庫は、かつて広島市街地でも見られた黄色い電車115系の宝庫である。一気に国鉄時代に逆戻りした。


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海と坂の街、尾道に到着。


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国鉄型と言えど、行先表示装置はLEDに改修されている。


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黄色い国鉄型電車と、どこか懐かしい空気の漂うプラットホーム。かつては「あさかぜ」「富士」「はやぶさ」など、寝台特急も停車する大きな駅であった。

 

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令和の時代になっても、昭和の懐かしい風景がまだ此処には残っている。

 

旅の終わりは尾道ラーメンで〆

 

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2019年3月から新駅舎となった尾道駅。右の山手には尾道城が見える。ちなみに尾道城は博物館として建てられ、元々の歴史的には城は存在しない。

 

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昭和の面影が色濃く残る商店街を歩く。

それにしても暑いなあ。

 

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尾道ラーメン「雑兵」にお邪魔する。

尾道醤油ラーメン600円也。


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手打ち自家製麺に醤油ベースのスープ。チャーシュー、メンマ、青ネギが入っている。

コッテリな背脂もたくさんだが、何故かアッサリと飲み干したくなる不思議なスープ。美味しい。全部飲み干しても胃もたれすることはない。

ごちそうさまでした。

 

tabelog.com

 

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腹ごなしに海沿いを散歩。しかし暑いのですぐに退散。

帰りも黄色の115系に乗車した。さらば尾道